ゼネコン関連

2012年2月 6日 (月)

なぜ日本ゼネコンは海外進出で挫折するのか?

東洋経済 2011/12/3号より

  • 「口約束」で済ませる契約のずさんさ。各社はFIDIC(国際コンサルティング・エンジニア連盟)の契約約款を使って交渉しているが、仏領だったアルジェリアはCCAG約款が主流で契約の構成が異なる。
  • 「日本企業がフランス語の契約内容を十分に把握しているかどうかは疑問。しかも交渉相手は興奮してくるとアラビア語になる」(JICA幹部)
  • 「海外工事はもともと採算を度外視してきた。アルジェリア高速道路はその典型例」(大手ゼネコン幹部)
  • 海外工事の売上高が公共工事などの国内案件の受注拡大に寄与するから。
  • 「受注したときは万歳。半年後は犯人探し」

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2010年12月16日 (木)

ゼネコン時限爆弾 週刊ダイヤモンド 10/12/18

  • アルジェリアの工事は、12年1月まで工期延長の契約が更新された。これで、とりあえず、撤退はなくなった。
  • 鹿島・染谷専務:「現在も、追加で設計変更した工事の上乗せ支払交渉と工期延長の交渉を進めている」
  • 西松とハザマの工区は既に完成。一方、鹿島と大成の工区は進まなかった。
  • スーパゼネコンが好決算だったのは、羽田空港D滑走路の追加支払金の回収ができたことが大きい。

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2010年12月 9日 (木)

大林 ドバイメトロ 日経産業新聞 10/10/25

  • 完成時期が延びて、工事は2011年夏までかかる。
  • 工事の債権は、2018年まで毎月分割して支払われることになっている。
  • 完成工事未収入金のうち、530億円は、工事が完成してから、7年先に支払われることになっている。
  • JV参加企業は、来年夏まで続く工事に必要な当面の資金を出資金として、JV代表企業の大林組に支払う必要があるが、鹿島は「請求根拠がない」として拒否した。
  • 大林組は、紛争解決機関などを通じて出資金の支払いを鹿島側に求めていく構えである。

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2010年12月 2日 (木)

鹿島建設 三菱UFJモルガン・スタンレー証券のレポート 10/11/15

  • アルジェリアの工事については、3月末時点で466億円の未収金があったが、9月末には518億円と52億円増加している。
  • 秋葉原UDXの優先投資を投資法人に売却し、123億円の特別利益を計上。下期の特別損失に備えるため。

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2010年11月30日 (火)

ゼネコン落城 週刊ダイヤモンド 2010/6/5

鹿島建設/アルジェリア高速道路の場合
  • 10年1月の完成予定なのに60%しか完成していない。
  • 相次ぐテロで国家非常事態宣言が続き、資材の調達にも時間がかかっている。
  • 慣れないフランスの高速道路規格での設計が求められている。
  • 砂地のため、トンネルを掘るのも苦戦が強いられる。
  • 鹿島建設は、現在、アルジェリア政府に工期延長、追加工事代金の支払、工事の遅延損害金の減免について交渉している。
  • 治安の悪さ、砂地での難工事が予想されたため、欧米企業は逃げ、最後に鹿島だけが残った。
  • それでも、最初の札から1割のの値引きが要求され、5400億円で受注。
  • 鹿島建設の言い分
    • 『10年3月期でアルジェリアの損失も当然引き当てている』
  • JV参加会社の言い分
    • 『損失額を鹿島が出していないので、決算に盛り込めず困っている。鹿島の事情で出せないのではないか?』
  • 鹿島の格付け:BBB+(格付け投資情報センター)『信用力は十分だが、環境が大きく変化する場合、注意が必要』 スーパーゼネコンで最も低く、三洋電機や西松建設と同じ。
  • 有利子負債は6200億円でトップ(2位の清水は4420億円)。自己資本比率は14.6%で最低。(他社は20%前後)【自己資本比率が低いのは他社に比べ不動産事業の比率が大きいという事情もある】

大成建設/ボスポラス海峡横断鉄道
  • 遺跡の発見や資材価格の高騰で追加コストが発生。
  • トルコ大統領が、大統領令を発して、発注者に支払いを命じて、何とか一息つけるところまで来た。

大成建設/新ドーハ空港
  • 2006年に受注。2009年5月に完成予定だった。
  • 内装はじめ空港のスペックについて発注者からの追加要望が続き、工期は2年延びた。
  • 受注金額:1000億円→1780億円に膨張。その追加分は支払われない可能性がある。
  • 現在、2011年7月の完成が微妙になっている。発注者は「工期を守らなければ、追加工事費は支払わない」と通告されている。
  • 工事代金の支払い交渉が膠着し、海外担当役員が現地に張り付いている。
  • 同業他社の見方:「既に現場は工事を止めるか否かの判断を迫られている状態」
  • 大成建設の言い分:「すでに現在想定できる損失は計上済み。今期の感慨事業は黒字転換する」

海外赤字工事の会計処理
    赤字の発生した工事について、赤字分の支払い要求するレターを発注者に送る。
    たとえ相手先が支払に同意していなくても、【将来支払ってもらえる『未収金』】となる。
  • 資金回収の可能性がゼロではないという理由で、この処理自体は粉飾決算ではない。
  • ゼネコン関係者:「海外の工事の決算をあえて厳しくしようとしたところ、監査法人に止められた。損失が巨額となり、監査法人側の責任も大きくなってしまうからだ。」

なぜ巨額損失が発生するのか?
  • 契約が苦手だから。
    • 国内工事では、口頭確認だけで工事を進めることがままあるが、海外では「口約束が追加発注として認められるケースはまれ」である。
    • 日本勢の多くがFIDIC(国際コンサルティング・エンジニアリング連盟)の「シルバーブック」と呼ばれる約款に基づいて契約を結んでいる。この契約では、工事に変更が出ても、基本的に発注者の追加の支払責任はない。受注者のリスクが大きく、欧米企業は避ける難物なのだが、ボスポラスやドーハなどので採用された模様。
  • 貿易保険を掛けてなかった
    • 貿易保険は、独立行政法人が提供するものであるため、代金回収に国を巻き込める。
    • ゼネコン関係者:「保険料を払うとただでさえ薄い利益が吹き飛ぶ」
    • そもそも、追加工事の債務を認める先方の契約書が無ければ保険金は支払われないから、それ以前の問題である。
  • 採算度外視のライバルへの当てつけだから
    • ボスポラス海峡トンネルを大成が大林よりも500億円安い価格で受注。
    • ⇒破れた大林は、ドバイメトロをメインコントラクターで受注
    • ⇒メインコントラクターを大林に取られた鹿島はアルジェリアをメインコントラクターで受注した。

その他の工事代金未収工事
  • 清水:ドバイのナキール社向け住宅棟。「支払が残っており、回収が長期化する可能性がある」
  • 竹中:ドーハ国際空港ターミナルビル。「完成して2年経つのに代金の支払いが滞っている」

ゼネコン各社のCDS
  • 鹿島建設
  • 大成建設
  • 清水建設
  • 大林組
  • CDSは数字が大きいほど、市場が倒産リスクが大きいと判断していることになる。
  • 現状では、各社のCDSが下がっているため、「市場は倒産リスクは遠のいた」と考えていると理解できる。

各社のリストラの状況(早期退職者募集)
  • 西松建設:600人
  • 五洋建設:220人
  • ハザマ :150人

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