経済・政治・国際

2013年6月28日 (金)

【国土強靱化】藤井聡の存在価値

藤井聡(http://bit.ly/u4Qs1Q)
・京都大学大学院工学研究科教授
経済学者からは物笑いとなっている。

最近、土木業界の人から話を聞いたのだが、「国土強靭化法案」に関連したロジェクトがなかなか動かないらしい。
彼曰く、「自民党の中で二階俊博あたりに力を持ってもらわないと、話が進まない・・・」

それは違うと思う。
これは、自民党内のパワーバランスの問題ではなく、自民党にはまだ良識ある議員がいることの証であると理解したい。
あんな馬鹿の話を信じたら、自民党の評価に関わることをちゃんと理解しているのである。

藤井聡の存在価値は、普通の人間であれば恥ずかしくて言えないようなことを、いかにも学者らしく理路整然と話すことである。
しかも、基本的には『頼まれれば断らない』主義だそうで、呼ばれればあちこちに行って、持論を展開しているらしい。

いくら理路整然と話しても、常識のある人間は、話の矛盾に気が付いて、相手にしないのであるが、バカな人間は騙されてしまう。

選挙の時は、普通の人間もバカな人間も同じ一票を持っているため、自民党の幹部は「バカが騙されて自民党に入れるのであれば、泳がしておく価値はある」と考えているのかもしれない。

もしかしたら、二階俊博自身も「バカをだます程度に騒ぐ」という力加減をしているのかもしれない。

つまるところ、藤井聡は、「もしかしたら公共工事が大幅に増えるかもしれない」という期待を醸成するところにあり、『期待だけで投票する人』が投票してくれれば十分なのである。
しかし、それはあくまでも『期待』であって、選挙が終われば『ただの期待』であることが判明して終わるのであるが、『期待した人』は『いい夢を見た』という満足があるから、後で文句は言わないのである。

結局、自民党と藤井聡は以下のような「持ちつ持たれつ」の関係になって、双方ともハッピーなのだが、双方に関係のない有権者としては、かなり腹立たしい。

自民党⇒藤井聡
 ・バカの票を集めてくれる。

藤井聡⇒自民党
 ・目立つチャンスをもらっている。
 ・政府の役職に就けてもらえる。

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2013年6月15日 (土)

NEWS CORE 2013/6/14 設備投資/為替

http://www.ustream.tv/recorded/34326057

◆設備投資
 日本では、整備投資を促すような政策はとるべきではない。
 企業はすでに設備投資に必要な十分な資金を持っている。
 むしろ、給与、配当、自社株買いのような方法によって、企業が持っている資金を市場に出させた方がいい。
 その結果として、消費が膨らんで来れば、企業は本気になって、設備投資を行うものと考えられる。

◆為替
 為替には、ちょうどいいレベルを測る指標がないので、チャートに頼らざるを得ない。
 今の日本では、悪い円安になる可能性もあった。
 期待のみで短時間で円安に振れた場合は、短時間で円高に戻る可能性もある。

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2013年6月14日 (金)

原発問題の要点

◆電気代は安くなければならない
→あくまでも電気代を震災前ぐらいのレベルで維持できる範囲の選択肢の中で考えるべきである。
◎産業面
 電気代が値上がりすれば、経営が成り立たない産業がある。
 そのような産業では、電気代が値上がりすれば、廃業・人員削減・海外移転を考えざるを得ない。
 「原発が嫌い」という理由は理解できるが、そのような産業に従事している人を失業させていいのか?
◎生活面
 電気代は金持ちも貧乏人も同じ単価で課金されるため、消費税と同じで逆進性を持っている。
 高齢化の進展によって、夏の暑さや冬の寒さに耐えられない体力的に弱い人が増えると、冷暖房の必要性が増す。
 電気代をあまり気にせずに使える環境が必要。
⇒金がかかって、原発の代替になりえない再生可能エネルギーの購入制度は直ちにやめるべき。
 再生可能エネルギーに金を使うなら、性能を上げるための研究開発に金を使うべきだ。

◆化石燃料による発電の時代が来る
 「掘り出す」、「効率的に燃やす」、「CO2を回収する」に関する技術革新が起こっている。
 数年後には、原発の代替することがコスト的にも発電量的にも可能となる。

◎化石燃料の価格が下がっている

 シェールガス革命によって、世界的にLNGの価格が下がっている。数年後には日本も安いLNGが輸入可能になる見通しがある。
 また、石炭も重機の大型化により、北海道でも露天掘りが可能になりつつあり、掘削コストが下がることが期待でる。
 さらに、石炭については、燃焼方式の進歩により、ほとんど粉塵を出さずに燃焼させることも可能となっている。

◎煙突から出るCO2を回収する技術もある

 化石燃料を燃やすとCO2を排出することは避けられないが、煙突からCO2を回収する技術も確立されている。
 後は回収コストと回収したCO2の捨て場所の問題。

◎燃焼効率を上げる技術も高まる

 LNGの場合は、従来は発電効率が40%程度だったものが、これからは60%台が可能になっており、さらに効率を上昇させることも可能であると見込まれている。

◆原発の発電コストは上がる
 想定される地震や津波のレベルが上がるだけでなく、科学的に根拠のない安全対策も『国民を安心させるため』という理由で求められるため、安全対策のコストは大幅に上がるものと考えられる。

●ここまでのまとめ

 化石燃料の調達ルートとそれを燃やす火力発電所が整備されるまでを既存の原発で乗り切れば、火力発電所の電気を主流とする時代が来る。
 だから、化石燃料の発電体制が整備されるまでを原子力発電所でしのげるのであれば、原子力発電所を稼働させるべきである。
問題は、「その時になれば、本当に原子力発電所を止める」という約束の信頼性をどう担保するかとそうした場合に大幅に電気代を下げられることを示せるかどうかがカギとなる。

●その後、どうするか?

 基本的には、「10年後のことは、10年後の人が選択する」とすべきである。
 現在の我々がなすべきことは、「できる限り多くの選択肢を残すこと」である。
 この「多くの選択肢」には、「原発をやめる」も「原発を続ける」も入る。
 いかに多くの選択肢を残せるのかという観点で考えるべきである。


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2013年6月10日 (月)

メイドインジャパン 逆襲のシナリオⅡ②のまとめ

◆3Dプリンタ
  • アメリカは、3Dプリンタを製造業復活の起爆剤にしようとしている。
  • オバマ政権は2012年8月、3Dプリンタによる革新的なものづくりを行うための国家プロジェクトを立ち上げた。
  • ドイツでは、州政府と企業、大学が共同で3Dプリンタに特化した研究機関を設立。航空機やロボットのような大量生産の必要のない代わりに絶えず技術革新が求められる分野での部品で競争力を生み出そうとしている。
  • 日本は、金型で競争力を持っていただけに、3Dプリンタでは遅れを取っている。
  • 現状では、金型の職人技の方が3Dプリンタより優れているが、いずれは代替される日が来る。
  • 日本は、金型と3Dプリンタ技術の融合を図る必要がある。
  • 南アフリカでは、自国で算出されるチタンを使った3Dプリンタに取り組んでおり、航空宇宙産業での競争力確保を狙っている。
◆政府動向
  • 政府が政策の優劣を競う時代になった。政府の支援が失敗した事例もあるが、3Dプリンタについては、ここで支援をしなければ、必ず負けてしまう。
  • 世界中の国が製造業を重視した政策を採り始めている。これは製造業が多くの雇用を生み出し、なおかつ、製造業の方がサービス業に比べて給与水準が高く、労働者間の格差が小さくなるため。
  • 政府がやるべきことは、「ターゲティング」と「環境整備」がある。「環境整備」で特に重要なことは法人税の引き下げである。
  • 日本は、「できる範囲の政策」しかやっていないので、勝てない。
◆半導体の歴史
  • 日本は70年台に半導体の国家プロジェクトを実施した。プロジェクトは成功し、アメリカのシェアを上回った。
  • アメリカは半導体業界への政府支援(ターゲティング政策)を批判した。日本はターゲティング政策をやりにくくなり、再びアメリカのシェアトップを許した。
  • 韓国は、日本が身動き取れないことを察知して、半導体分野で攻勢に出た。
  • 台湾は、大量に作ればコストダウンができることに着目し、生産に特化した。たくさん作る→コストが下がる→顧客が集まる→更に安く作れるようになる。

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2013年6月 6日 (木)

日経「経済教室」 池尾和人 『日銀の「支配力」を過信するな』

日本経済新聞 2013年6月5日 経済教室

  • 日銀が国債を購入する目的は、あくまでも今後2年間で消費者物価上昇率を2%まで高めることである。その意図が実現すれば、金利水準は上昇せざるを得ないはずである。
  • 4月4日の日銀の声明文では、どのようなメカニズムでその目標が実現するのかは明確にされていない。気合いさえ入れれば信じてもらえると言うだけでは、とうていロジカルな主張だとは言い難い。
  • 出口戦略が明確でないことも、予想形成を難しくしている。今から出口戦略を語ることは、中央銀行のやる気を疑わせることになるという理屈で出口戦略は明らかにされていない。しかし、終点が明らかにされていなければ、始点と終点を結んだ経路は描けない。
  • 終戦のイメージも明らかでないままに、戦争を始めるのは、大胆ではなく、単なる無謀でしかない。
  • 今回の量的・質的緩和は実験的な性格が強い政策であって経験的な根拠を書くから説明できないのかもしれない。

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2013年6月 5日 (水)

13/6/2 NHK特集 密着・エネルギー争奪戦 まとめ

  • 日本の電力の90%は火力発電で、主な燃料はLNG(液化天然ガス)
  • 日本が輸入する液化天然ガスの価格はジャパンプレミアムと言われ、世界の平均的な相場より高い価格で買わされている。
  • 輸入総額は、年間6兆円。
  • 日本が輸入しているLNGは16ドル。アメリカでは、4ドルで生産されている。その4ドルに液化と輸送費を加えて、10~12ドルで輸入したい。
  • アメリカ企業は、日本がトータル16ドルで買っているのであれば、トータル16ドルに見合う価格で売りたいと言っている。
  • 【アメリカのシェール革命】→【中東からLNGを買わなくなったので、中東はLNGをヨーロッパに回した】→【これまでヨーロッパに売っていたロシアの売り先がなくなった】→【ロシアは新たな売り先として日本・中国・韓国を狙っている】
  • 現在、サハリンからウラジオストックまではパイプラインが通っている。それに東シベリアからのパイプラインもつなげ、ウラジオストックに天然ガスを液化するプラントを作る予定。完成は2018年の見込み。生産量は日本の消費量の17%相当。
  • ロシアのガスプロムはロシア国内には、利益ゼロで売っているため、日本に対しては利益の出る価格で売らなければならない。
  • ガスプロム担当者:「アメリカのシャールガスの価格は、輸出されていないので国際相場とは関係がない。単なるアメリカの国内価格に過ぎない」
  • 日本向けのLNGの輸出プロジェクトが始まる年度。2017年頃に集中していて、日本が安く買えるチャンス。
    ロシアのウラジオストック:2018年
    アメリカ:2017年
    オーストラリア:2016年
    アフリカ:2018年
  • 天然ガスの火力発電所では、GTCC(ガス・タービン・コンバインド・サイクル)と呼ばれる高効率のシステムの導入が進んでいる。
  • この方法では、1500度の燃焼ガスでタービンを回し、更に水蒸気でタービンを回すので、60%まで燃焼効率を上げることができている。(作っているのは、三菱重工業、GE&東芝連合など)
  • 日本の商社は、単に価格だけでは、交渉にならないので、パイプラインを建設したり、液化プラントの共同運営等を持ちかけて、価格交渉をしている。
  • 新興国でのLNGの消費量が増加する一方で、新たなガス田が見つかって、産出量も増加していくと予想される。

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2013年5月31日 (金)

なぜ、シャープはサムスンに負けて、トヨタはヒュンダイに負けなかったのか?

ともに製造業で、日本円と韓国ウォンの為替相場の影響を受けたが、シャープはコテンパンに負けて、トヨタはつけ入る隙も与えなかった。この両者の違いはどこから来たのだろうか? この問題は考えるに値する問題だと考えられる。

◆技術のレベルが肉薄するところまで来ていた
サムスンは技術的には、シャープやパナソニックに肉薄するところまで来ていたが、ヒュンダイはトヨタとはまだ距離があった。
サムスンは、「技術的に同じなら、為替のおかげで安い方がいい」ということで、日本企業に比べて競争力を獲得することができたが、ヒュンダイは、技術的に負けているから、安くても買わないという消費者の選択を受けることとなった。

◆為替的に有利だからといって、増産のレベルに限界があった
 液晶であれば、工場を作って、材料をぶち込んで、24時間操業にすれば、とにかくたくさん作れるが、自動車は製造プロセスが複雑で、為替が有利だからといって、すぐには増産体制には移れなかった。

◆経営者の力量
 投資に関する意思決定の速さが重要な要素となりうる液晶分野で、サムスンのイ・ゴンヒ会長は、独裁体制を確立して、すべての情報を集約して、迅速に意思決定する体制を作り上げた。一方のシャープは、日本的意思決定の遅さからは抜け出せていなかった。
 また、持続的なカイゼンが必要な自動車業界では、トヨタが巨大戦艦であるトヨタという企業の船長たる社長とその他の船員の役割分担を明確にした体制を作り上げていた。
 (ヒュンダイについてはよく知らない・・・・)

◆投資構造の違い
 液晶では、研究開発と工場の建設には巨大な資金が必要になるが、製造段階ではガラスの板と無理つける薬品があればよく、コスト構造は、初期投資は大きいが、運用段階ではコストがかからない固定費型である。よって、投資が終わって、順調にいけば儲けることができるが、投資が終わった後に想定外のことが起こっても対処することができない。
 一方の自動車産業では、研究開発と設計に金がかかるといっても、売価の半分は製造コストな訳で、それなりの変動費型産業である。よって、液晶に比べれば、製造開始後の市場変動には調整余地が大きい。

◆円安のタイミング
 液晶テレビが本格的なになったのは2000年代に入ってからで、当初、比較的円安傾向が続いた。
 よって、サブプライムショック後に起こった円高が液晶テレビという商品が初めて遭遇した円高だったことになる。これまでさんざん辛酸をなめてきた自動車業界とは違って、このまま円安が続くと思って投資計画を立ててしまった。
 そして、すべての投資が完了した時点で、サブプライムショックが起こった・・・。

◆世界分散生産
 液晶というのは、亀山といい、堺のコンビナートといい、狭いところに集積して作るもので、世界分散生産が難しい商品あのかもしれない。
 結局、一カ所に集積して作るのであれば、その国のカントリーリスクを背負うことになる。日本に工場を作るのであれば、円高リスクを背負うことになるが、どの程度、そのリスクを背負う覚悟があったのだろうか?

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2013年5月29日 (水)

なぜ民主党政権はダメだったのか?

民主党があまりにもお粗末な政権運営をしたおかげで、『政権交代が起こりうる政治状況』が遠のいたことはとても残念に思っています。
なぜ駄目だったのかをまとめておきます。
民主党自身はどのように総括しているのでしょうか?

◆失敗その1:すべてを変えようとしたこと
 自民党は長い間、政権を担っていたわけで、政権を運営するためのノウハウも蓄積していたわけだが、「政権交代を成し遂げれば、すべてを変える」と考えて、変えることを重視した。
 その結果、政権運営に必要な仕組みまで変えてしまった。
 結局、『何を変えて、何を変えないのか』という議論が十分でなかった。
 この教訓は、これから政権を目指す日本維新の会やみんなの党にも言えることであるが、どうもこの課題を真剣に考えているとは思われない。

◆失敗その2:小泉政治をアンチテーゼとしたこと
 小泉政権時代の政策は、確かに弱者には厳しい政策だったが、時代の流れとしては不可避なものであった。つまり、小泉政権時代の政策は比較的正しい政策だった。その正しい政策をアンチテーゼとしてしまったために、結果的に間違った政策を実施せざるを得なくなった。
 政権交代時の自民党を言い換えると、「そこそこうまくいった政治(小泉政治)を続けることができなくなって、力尽きた」といえる。そこで、民主党は政権交代を訴えるときに、「そこそこうまくいった政治」の部分を攻撃せざるを得なかった。
 民主党にも、『時代の趨勢』という概念があれば、今が高度成長時代に作られた社会システムを低成長の時代に作り変えていく時代であるとは分かったはず。結局、民主党は政権交代の歴史的意義を理解しないまま政権を取ったとも言える。

◆失敗その3:「政権交代さえ成し遂げれば、あとは何とかなる」と思ってしまったこと
 明治維新のときは、江戸幕府さえ倒せば、やるべきことははっきりしていた。開国、富国強兵、殖産興業、西洋からの技術と社会制度の導入。
 戦争に負けた時も、戦争に使っていた資源を産業振興に使えばよかった。
 では、政権交代した後にどうすればよかったのか?
 実は、『変革の時代』ではなく、『選択の時代』であり、民主党の中にも様々な選択肢を主張する勢力があり、選択肢が混じっていた。
 民主党が野合だったのは、実は、政権交代した後にどうすればいいかについての答えが、民主党にだけではなく日本になかったためではないか?

◆不運その1:野党体質の人間が党首だったこと
 野党は選挙に弱い(だから野党なのだ)。だから、選挙のときは『なりふり構わず、有権者に受けのいいことは何でもやる』。しかし、本当に政権が取れそうなときにそれをやったら、あとで取り返しがつかなくなることぐらいは分かっただろう。
 結局、身に染みたことは、いざという時になっても、体からは抜けないとという現実を示すことになった。
 つまるところ、政権交代が起こらないということは、「骨の髄まで野党」と「骨の髄まで与党」の2種類しか生み出さないということを有権者も知っておくべきだろう。

◆不運その2:小沢一郎が検察に目の敵にされていたこと
 民主党の中で唯一まともな政権運営ができるであろう人物は小沢一郎しかいなかったわけだが、彼は検察庁から濡れ衣を着せられて、身動きが取れなかった。
 確かに、小沢一郎は検察庁が目の敵にするほどの政治家だったかもしれないが、いくら社会正義のためとはいえ、有能な政治家が能力を発揮する機会をつぶるほどの権限を国民は検察庁に与えたつもりはないはずだ。
 結局、民主党政権が失敗したおかげで国民は多くのものを失った。その責任の一部は検察庁にもある。

 ここで示した失敗と不運は、次の政権交代でも起こりうる。
 結局、国民はいつまでも自民党政権のもとで生活しなければいけないのか?

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2013年4月11日 (木)

UDトラック 工場見学(13/4/5)

◆ビジネス環境
  • 国内のトラック会社は、日野(トヨタ傘下)、いすゞ(独立系)、三菱ふそう(ダイムラー傘下)、UD(ボルボ傘下)で、国内市場(6万9千台)の市場を奪い合っている。
  • 世界のトラック業界の合従連衡はまだ終わっていない。これからも合併・吸収の動きはあるだろう。
  • 世界市場のライバルであるダイムラーは、組織構造のしっかりした大企業というイメージ。一方のボルボは中小企業が肥大化していったイメージ。
  • 世界中の工場で生産されるトラックは基本的には同じ設計図に基づいているが、エンジンの設計は微妙に異なる。これは、先進国間で排ガス規制が微妙に異なるからで、エンジンの設定をその規制に合わせて変えなければ対応できない。
  • 日本からは、日本基準で作ってOKな国に輸出している。
  • 乗用車のモデルチェンジが4~5年サイクルであるのに対して、トラックは10年サイクルで、排ガス等の法規制が引き金となる。
  • 次の大きな法改正は2017年になる予定。
  • トラックは販売台数が少ないので、部品価格が高くなる。乗用車と部品の共有化をすれば、コストダウンできる可能性もある。
  • 乗用車と部品の共通化をして、『部品のコストを下げる』のか、部品の共通化を無視して、『単体で安いコストで作るようにするのか』は設計上の大きな選択。
  • UDトラックの輸出範囲内では、インド、中国の方が販売台数は多いが、売上高(販売台数×価格)では、日本が一番大きい。これをどのように考えるかが問題。人口は減りゆくけど、そこそこ儲けている日本を重視すべきか、あまり儲かっていないけど、これから成長する市場を重視すべきかは重要な問題。
◆工場見学
  • 以前にトヨタに行ってきたときと同様に、1本の生産ラインに複数車種が流れていたが、違いは作業員が歩いていたこと。トヨタであれば、作業員は止まっていて、車が流れてきて、次々と部品をつけていくイメージ。車のサイズが大きいので、この点はやむなしと思われる。
  • エンジンの組み立てでは、コンピュータ画面に表示されたところをボルト締めしていくスタイル。実は最近導入されたらしい。「コンピュータ画面に従って作業するのは、職人気質に反するから、以前は抵抗があった」とは、結構意外であった。
  • プレス加工では、1週間分の必要量を加工する。「トヨタ生産方式などと言われるが、その方式で成功させているのは、トヨタだけ」らしい。
  • 最初は、フレームを逆さまにして、車体の裏に部品をつける。そのあと、ひっくり返して、上側に部品をつける。


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2013年3月23日 (土)

山崎元 「国債暴落」を個人投資家の立場から考える

元ネタ:「国債暴落」を個人投資家の立場から考える

◆国債と銀行は金融政策の制約か
  • 国債の暴落とは、一般に、「長期金利」と呼ばれることの多い長期国債の利回りが上昇することだ。
  • 国債暴落については、短期的には起こらないだろうが、長期的には起こり得るといった理解を持っておくのが適切だろう。
  • 将来、たとえば物価上昇率が2%で実質経済成長率が2%、即ち名目経済成長率が4%といった望ましい経済状況が達成されると、長期金利は4%程度であっても全くおかしくない。つまり、アベノミクスが十分に目的を達したあかつきには、国債暴落が起こる公算はかなり大きいということになる。
  • 3%の金利上昇ともなると、日本の銀行システムに、20兆円以上の損失効果が発生することになり、中には破綻する銀行があってもおかしくはない。
  • 但し、「景気が良くなって、金利上昇が起こる」ということなので、銀行が保有する株式や不動産の価格も上昇するし、融資先の経営内容の改善や、銀行のビジネス自体の利益拡大にもつながることなので、多くの銀行が破綻するというような事態には至らないだろう。
  • 「銀行破綻を起こさないために、経済を望ましい状態に持っていくことができない」ということなのだとすると、これは本末転倒だ。
  • 民間銀行の経営が、日本経済全体の成否を質に取るようなことがあっては良くない。
  • 十分起こりうる程度の金利変動に対応できない銀行は、あらかじめ何らかの形で整理されるべきだ。また、独自の判断で融資が出来ず、集めた預金の大きな部分を国債運用に回す銀行が、社会的に期待される金融業への役割期待を十分に果たしているともいいがたい。
◆長期金利上昇はどのように起こるか
  • 論理的な可能性は二つある。
  • 一つは、日本の財政全体が信用を失って、国債デフォルトの可能性が長期金利に織り込まれる「信用リスクによる長期金利上昇」である。
  • 日本の財政については、「危機的状況」が喧伝されることが多いが、ユーロ圏の経済危機の深刻化などで市場が「リスク・オフ」に向かった時に、円高になり、日本国債の利回りが低下することから見ると、日本政府の債務に対する世界の金融市場の評価は、現在、相対的に高い状況にあると理解するのが素直な見方だろう。
  • 一般に「政府」というものは長期的に信用できるものではないし、日本政府もその例外ではないと思われるが、インフレ率も成長率も上がらぬまま国債の利回りだけが上昇していくような状況は当面考えにくい。
  • 物価が上がらぬまま長期国債の利回りが上昇するなら、年金基金も保険会社など、長期の負債を抱えている主体は、喜んで国債を買うだろう。
  • もう一つの可能性は、前述のような、景気が回復して物価が上昇するようになった場合の「経済の成功による長期金利上昇」である。
  • 経済成長率が高まって、物価が上昇し、将来の物価上昇を織り込むような形で起こる長期金利の大幅な上昇(即ち国債暴落)は、一気に起こるものではないとしても、向こう数年以内に起こってもおかしくないと筆者は考えている。
◆個人の備え方
  • アベノミクスの初期にあって、経済が望ましい方法に動くためには円安が必要だが、日本の経済が望ましい状況(マイルドなインフレ+高成長)になり、長期金利までが上昇した場合、為替レートは一転して円高に向かう可能性がある。
  • 不動産は、家賃をスピーディーに上げていくことが、好調企業が利益を伸ばすことよりも難しいので、長期金利が上昇する局面では損をする可能性が小さくない。
  • 安全資産の中では、既に低金利でもあり、相変わらず、普通預金、MRF、個人向け国債の10年満期・変動金利型、といいたいところだ。
  • 「10年・変動」の個人向け国債は、将来長期金利が大幅に上昇して、長期国債が暴落するような事態になった場合、二回分の利払いを払って元本で償還できるという強力な「金利上昇への保険」がついている。
  • もっとも、国債暴落が、日本国債のデフォルトリスクを反映したものであり、現実にデフォルトが起こるような状況になれば、個人向け国債も安全な商品とはいえないのは当然のことだ
  • 先にも記したように、「信用リスクによる長期金利上昇」の可能性は、当面、大きなものではないように思われる。

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