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2013年5月31日 (金)

なぜ、シャープはサムスンに負けて、トヨタはヒュンダイに負けなかったのか?

ともに製造業で、日本円と韓国ウォンの為替相場の影響を受けたが、シャープはコテンパンに負けて、トヨタはつけ入る隙も与えなかった。この両者の違いはどこから来たのだろうか? この問題は考えるに値する問題だと考えられる。

◆技術のレベルが肉薄するところまで来ていた
サムスンは技術的には、シャープやパナソニックに肉薄するところまで来ていたが、ヒュンダイはトヨタとはまだ距離があった。
サムスンは、「技術的に同じなら、為替のおかげで安い方がいい」ということで、日本企業に比べて競争力を獲得することができたが、ヒュンダイは、技術的に負けているから、安くても買わないという消費者の選択を受けることとなった。

◆為替的に有利だからといって、増産のレベルに限界があった
 液晶であれば、工場を作って、材料をぶち込んで、24時間操業にすれば、とにかくたくさん作れるが、自動車は製造プロセスが複雑で、為替が有利だからといって、すぐには増産体制には移れなかった。

◆経営者の力量
 投資に関する意思決定の速さが重要な要素となりうる液晶分野で、サムスンのイ・ゴンヒ会長は、独裁体制を確立して、すべての情報を集約して、迅速に意思決定する体制を作り上げた。一方のシャープは、日本的意思決定の遅さからは抜け出せていなかった。
 また、持続的なカイゼンが必要な自動車業界では、トヨタが巨大戦艦であるトヨタという企業の船長たる社長とその他の船員の役割分担を明確にした体制を作り上げていた。
 (ヒュンダイについてはよく知らない・・・・)

◆投資構造の違い
 液晶では、研究開発と工場の建設には巨大な資金が必要になるが、製造段階ではガラスの板と無理つける薬品があればよく、コスト構造は、初期投資は大きいが、運用段階ではコストがかからない固定費型である。よって、投資が終わって、順調にいけば儲けることができるが、投資が終わった後に想定外のことが起こっても対処することができない。
 一方の自動車産業では、研究開発と設計に金がかかるといっても、売価の半分は製造コストな訳で、それなりの変動費型産業である。よって、液晶に比べれば、製造開始後の市場変動には調整余地が大きい。

◆円安のタイミング
 液晶テレビが本格的なになったのは2000年代に入ってからで、当初、比較的円安傾向が続いた。
 よって、サブプライムショック後に起こった円高が液晶テレビという商品が初めて遭遇した円高だったことになる。これまでさんざん辛酸をなめてきた自動車業界とは違って、このまま円安が続くと思って投資計画を立ててしまった。
 そして、すべての投資が完了した時点で、サブプライムショックが起こった・・・。

◆世界分散生産
 液晶というのは、亀山といい、堺のコンビナートといい、狭いところに集積して作るもので、世界分散生産が難しい商品あのかもしれない。
 結局、一カ所に集積して作るのであれば、その国のカントリーリスクを背負うことになる。日本に工場を作るのであれば、円高リスクを背負うことになるが、どの程度、そのリスクを背負う覚悟があったのだろうか?

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