« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »

2011年4月

2011年4月13日 (水)

もう東北でモノは作らない

 土下座外交をして、やっとの思いで誘致した工場が自然の脅威の前では為す術もなかったのは、お気の毒としか言いようがないのですが、経営者の立場からすると、「もう東北ではモノは作らない」と考えることが合理的ではないかと思います。
 このような事態は被災者に被災者に追い打ちをかけるようでありますが、「来たるべき未来」に目を向けて、どのようにすべきかを考えることも重要と考えます。

電力供給が不安
  • これは東北の日本海側も関東地方も含まれる。
  • 電力供給だけを考えれば、モノ作りの拠点は、西日本に移る。その状況のなかで、「部品だけ東北で作る」、あるいは、「全国から部品を集めて東北で組み立てる」ということが合理的な選択なのか?
  • 不安が解消されるまでには、数年のオーダーで時間が掛かる。
  • 3月末の計画停電を乗り切れたのは、多くの工場が被災していて、稼働していなかったから。これから多くの工場が復旧してくれば、電力消費も多くなる。
  • 今後、復活する電力は火力発電にならざるを得ないが、そうするとCO2排出の問題が生じる。いっそのこと、CO2排出の規制の緩い途上国で生産した方が合理的ではないのか?
  • 数年後に電力供給が復活したとして、果たして東北で生産を再開しようと考えるのか?

消費地が遠い
  • もともと東北地方は人口が少なく、所得水準も低い。生産したモノを買ってくれるわけではない。
  • 海外に輸出しようにも、輸出するための港が壊れて、復旧するまでに数年かかる。

法人税が高い
  • 元々、法人税が高くて、ほんの少し、減税されようとしていが、それも復興財源として取られてしまいそう。
  • それなら、法人税が低いところに、現地法人を作った方が安上がりである。

雇用規制が強い
  • 工場が同じ場所にあっても、中で作っているものは年々変わる。それによって、必要となる労働者の人数も技能も変わってくるはずであるが、日本では、その調整が極めて難しい。
  • 外国には、そういう調整が簡単にできるところがいっぱいある。
  • 日本では、今回の地震を受けて、さらに規制が強化される恐れもある。(なにせ、政権を取っているのは、民主党だ)

円高の恐怖がある
  • 日本の製造業が復活する→円高になる→日本で作ったモノが売れなくなる、という恐怖がある。
  • それなら、これからの消費国の中で作ってしまえ、ということになる。その国なかで完結している限りは通貨変動の影響を受けない。

地震が多い
  • 東北の地震の特徴は、20年周期ぐらいで大きい地震が確実に起こるということである。
  • これは、ある意味で、来る来ると言ってなかなか来ない東海地震よりタチが悪い。
  • どれだけ設備投資をしても20年後の地震で壊れる恐れがあるところに投資するのか?

福島原発が近い
  • 福島原発の今後の状況次第では、工場を閉鎖して、労働者を退避させる必要もないとは言えない。

寒い/雪が多い
  • 暑さが原因で、交通が麻痺するということはあまりないが、寒さ(雪が原因となる場合も含む)が原因で交通が麻痺することは良くある。
  • つまり、東北は、決まったタイミングで部品が届かない可能性が高いところだ。そんなところに工場を作るのか?


| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »