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2011年1月12日 (水)

研究開発費の投資対効果は算定可能か?

早稲田のMBAの面接試験のときに、「研究開発費の投資対効果は算定不能が専門家の共通認識で、近い将来に大きく進展する可能性もない。その研究課題にこだわるなら、来てもやることはない」と言われました。

研究開発ではなく、企業全体の投資対効果は算定可能か?
  • ROA、ROE、ROICが企業の投資対効果の算定指標なので「できる」ということになる。また、労働生産性も投資対効果指標の一つと言える。
  • 指標が複数あることに意味がある。それは、どの指標も完全ではないので、いくつかの指標を比較することによって、相互の不完全性を補完している。
  • また、同業他社や過去の指標とも比較することも妥当な水準を把握するという意味で重要である。
もし「できる」として、どのような問題があるか?
  • 計算結果は、過去の年度の数字を使っている。よって、その数字は「たまたま過去はそうだった」ということを示しているにすぎない。【問題点①:将来についての情報がない】
  • 財務諸表の数字を使うのであれば、その数字は計算仮定の塊である。財務諸表を計算するための計算仮定が変われば数字が変わる。そのような数字をもとに計算された投資対効果の数字を信用するのか?【問題点②:計算仮定の信憑性は疑わしい】
  • もし、投資対効果の数字が良かったとして、その数字をもとに研究開発費を増やすのか? どのくらい増やすのか? 増やせば本当にさらに儲かるのか?【問題点③:具体的なアクションプランに結びつかない】
「できる」ようになるためにはどのような条件が必要か?
  • 複数の指標があって、欠点を互いに補完する関係にあること。
  • 会計学のような学問分野において計算方法が十分に議論されていること。
  • 公認会計士のような計算結果をチェックする仕組みが完成すること。
結局、どういう結論が欲しいのか?
  • もし、研究員が2人の研究所があったとする。A研究員は毎年1億円の研究費で、毎年10億円のリターンを得ているものとする。B研究員は毎年1億円の研究費で、毎年0.5億円のリターンを得ているものとする。
  • 投資対効果は(10+0.5)/(1+1)=5.25となる。
  • 投資対効果は5.25という結論が欲しいのか? それとも、A研究員は研究を続けて、B研究員は研究を止めるべきという結論が欲しいのか?【問題点④:研究テーマごと、研究分野ごとに投資対効果が異なる。会社全体の研究開発費の投資対効果を出せば、全体の平均値しか出てこない。その平均値に意味があるのか?】

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