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2010年8月20日 (金)

日本民間放送連盟会長 広瀬道貞 10/07/03 週刊東洋経済

ネットへの警戒感
  • ここ1年ぐらいでネット広告の限界が見えてきた。ネットはネットでアキレス腱があるというのが、われわれにもわかってきた。
  • トイレタリーのような消費者によく知られた商品、生活になじんでいる商品はネットで大きく宣伝する必要がない。インターネットはP&Gを取り込もうと何度もチャレンジしたが、取り込めなかった。
  • 時計などブランドを大事にする商品はネットに出ると、高級なイメージが損なわれる気がしているのではないか。
  • いちばん大きいのは、自動車。新車を出すときには、まずテレビ。それから新聞、雑誌で詳しく訴えていく。技術的な進化があって、それを目玉に売り出したいときには、計画的に大量に広告が打てるテレビ、新聞、雑誌を使う。検索を中心とした広告では、そうはいかない。

テレビがネットを利用
  • テレビとネットの均衡がとれてきて、守りの姿勢から、協調もできるし、ネットをフルに活用していこうという見方ができるようになった。
  • われわれがいちばん怖かったのは、検索と広告が一体化した形で市場シェアを取られていくこと。
  • 検索だけなら、われわれも便利に利用している。通信も海外のニュースを転送するコストは昔に比べ格段に安い。ツールとしてのネットの恩恵は、テレビも十分享受している。
  • 今後は広告でも、テレビとネットのいいところを出し合っていくこともありうる。そういうことを考えるちょうどいい時期に、デジタル化が完了する。
  • デジタル化でネットとの親和性は高くなり、工夫すればうまく展開できると思う。ネットへの危機感ばかりでビジネスを考えていると、間違った道を歩むだろう。
  • アイパッドほどの画面になってくると非常にきれいで、素人の撮影した動画が面白いというレベルではなくなってくる。テレビとしてもこれを活用するつもりでないと出遅れてしまう。
  • ただし、それは他のテレビ局に負けるという意味であって、ネットに負けるという意味ではない。

主導権はテレビが握る
  • 地上波をアイパッドで受信できるようになるのは時間の問題。テレビは家で見るものだと思うが、持って回れれば便利なことは間違いない。CMも見てもらえるだろう。
  • テレビを見られる端末が増え、テレビの影響力が今より大きくなっても、それを理由に広告料がすぐに上がるとは思わない。独自の展開を考える必要がある
  • ネット上にプラットフォームを作るのは難しいことではない。テレビ局は必要があれば他社のプラットフォームを利用するし、自分たちが中心で運営したいと思えば、自前で作ればいい。
  • 本当に難しいのは、ユーチューブのように大きなサイトを自分で持って、動画が何本やってきても大丈夫という態勢を整える場合だが、それはネットワーク企業であって、テレビとは違う。
  • 番組制作会社がテレビ局を通さずに番組を配信する「中抜き」は起こらないだろう。ドラマであれば、脚本家とテレビ局の間には、長年積み重ねてきた強固な関係がある。そう簡単には揺るがない。

将来ビジョン
  • メディアはインフラを考えないといけない。米国の新聞社はあれだけバタバタ潰れているのに、日本の新聞社は一つも潰れていない。それは宅配という家庭になじんだ制度があるから。
  • ネットで本格展開するときには、きちんと準備をし、それなりに人を割く覚悟がいる。テレビで流したものをアイパッドで流せばいいという話ではない。
  • 放送はインフラを確保するかぎり、広告収入でやっていける。他の産業と比べて新規投資がほとんどなく、必要なのは減価償却に見合う分の更新投資ぐらい。
  • 暮らしが変化して、教育だとか介護だとか多様なサービスが必要になる。広告の中身が変わってくることはあっても、テレビ広告が不要になることはない。


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