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2010年7月 8日 (木)

7/2 NHKスペシャル 「狙われた国債」の要約

最初のターゲット:ギリシャ
  • リーマンショックの時は、金融機関のリスクを「国」が肩代わりしたが、今度は「国」の信用がほころび始めた。
  • 現在、地球上のマネーの合計は7京円もある。
  • 最初にターゲットになったのは財政危機のあるギリシャであった。
  • ギリシャは昨年10月に政権交代があり、隠されていた財政赤字がGDPの12.7%もあることが明らかになった。
  • ヘッジファンド:「ギリシャで拡大するリスクはどのくらいか? 問題は赤字の規模ではなく、資金繰りに行き詰まるかどうかだ。 ギリシャ国債が市場に狙われるときはいつか? 償還期限前が『ヤマ』だと確信した。

次のターゲット:ヨーロッパの財政赤字国
  • ヘッジファンドは国債そのものではなく、CDSで利益を上げようとした。リスクの避難先だった国債の信用が揺らいだ。
  • ヘッジファンド:「ギリシャで起こった国債の暴落は他の国でも起こるはずだ」
  • ヨーロッパには、スペイン、ポルトガルなどギリシャと同じ弱点を抱えた国が他にもあった。
  • ヘッジファンドの予想通り事態を悪化させることが起こった。EUとIMFが国債の償還期限の迫るギリシャに4兆8000億円の融資を決めた。間近に迫った国債の償還を乗り切るだけの金額でしかなかったので、市場は「ギリシャはすぐに資金繰りに窮する。そして危機は他の国にも波及する」と考えた。
  • ヨーロッパの国の財政不安はユーロ売りにもつながった。
  • 市場では、「ECBはギリシャ国債の買い取りもあり得る」との期待が高まったが、ECB・トルシェ総裁は「そのようなことは話し合っていない」と発言。投資家は「危機意識が足りないのではないか」と不安が頂点に達した。
  • ギリシャ・イタリア・ポルトガルの国債価格が下落→ニューヨーク株が下落→日本株が下落の連鎖が発生。

ユーロのゆがみ
  • 市場はやがてユーロの持つ「ゆがみ」を攻撃するようになる。
  • ギリシャは2001年に12番目の加盟国としてユーロに参加。ドイツ等が築いた信用ある通貨を使って経済を立て直そうとした。
  • 1990年代にギリシャは国債を外国で売ろうとしたが、思うように売れなかった。信用の低いギリシャの通貨では買い手が限られていた。
  • ドイツにとってもギリシャの加盟はメリットがあった。ITバブルが崩壊した後、オリンピックをひかえたギリシャは市場の拡大が見込めた。
  • 加盟当時、ギリシャはユーロ加盟の条件を満たしていなかったが、ゴールドマンサックスが為替変動を利用して、借金の金額を少なく見せかける方法を考案した。ギリシャはこのゴマカシを加盟を承認する側も知っていたはずだと考えている。
  • ユーロに参加すると、ギリシャは低い金利で資金調達が出来るようになって、一気にバブルに突入した。
  • まず、公共事業、次に、個人向けローンの拡大。個人向けローンの拡大により、ドイツ製品の売り上げが伸びた。
  • オリンピックの後、バブルが崩壊した。観光も伸びないので、インフラ投資も回収できない。それでも国債の発行は続いた。
  • 国債は大量に発行され続け、発行残高は、オリンピックの翌年にはGDPをも超えるようになった。
  • そのような状況でも、政府は国民の支持をつなぎ止めるため、公務員を増やし続けた。国債の発行で調達した資金は、労働人口の1/5にまで増え続けた公務員の給与や社会保障費に消えていった。
  • 赤字を垂れ流すようになって、ギリシャはユーロの加盟条件を満たせなくなっていた。政府の中にも危機感を感じていた者はいたが、結局、改革は見送られた。
  • 昨年10月に政権交代が交代したときにも、ゴールドマンサックスから、財政赤字の額をごまかす方法を提案されたが、新首相はそれを断って、事実を公表した。
  • 新首相:「遅かれ早かれ、分かることなのだから、直視し、対処すべきなのだ」
  • その後、信用不安を抱えたギリシャにマネーの総攻撃が始まった。国債は暴落し、国家破綻の危機に直面した。

危機後の対応
  • これまでもバブルが膨らみ、はじけるという歴史を繰り返してきた。対策も、そのたびに政府が支出をすることでしのいできた。しかし、2年前のリーマンショックで状況が一変した。もはやどこの国の政府にも財政支出をするだけの余裕が無くなってしまった。
  • 国債が投機の対象となったが、一方で安全資産としての国債を求める声が高まっている。
  • ヨーロッパ各国は、国債の信用を増すために、財政再建に取り組み始めているが、国民の反発を受けているので、その実現のスピードを遅らせている。
    ドイツ:9兆円の歳出削減
    フランス:年金削減
    スペイン:公務員給与削減
    イギリス:消費税を20%に増税
    イタリア:3兆円の歳出削減
  • 財政再建とともにドイツが主張しているのが、とりわけヘッジファンドを念頭に置いた金融規制としての「金融取引税」である。金融取引税は金融商品を取引するたびにかかるものである。短期で取引を繰り返すと、税金の負担が重くなる仕組みとなっているが、金融界から反発を受けている。

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