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2010年5月 9日 (日)

HDD部材 争奪厳しく 日経産業新聞 10/05/07

  • ハードディスの部材が供給不足に陥っている。
  • リーマン・ショック後、業界全体が過剰設備に苦しんだだけに、足元の活況にもかかわらず多くの企業は大胆な投資にまだ及び腰で生産設備への投資は慎重。HDDメーカーによる部材争奪戦は激しさを増しており、囲い込みを狙った再編が広がる兆しも出てきた。
  • 08年秋以降の世界同時不況で一時は需要低迷に悩んだが、昨年後半からパソコン市場が急拡大。液晶テレビなどデジタル家電へのHDD搭載も進み、需要は拡大している。
  • 日本電産はいち早く積極姿勢に転じ、永守社長は「今後、毎年1億台ずつHDD市場が拡大するだろう」と、業界予測を上回る強気の見通しを披露する。
  • HDDはモーターのほか、データを蓄積する磁気ディスク、読み書きに使う磁気ヘッドなどで構成し、それぞれメーカーは異なる。全体の増産の足並みが乱れるとボトルネックが発生し、HDD生産にすぐ響く。
  • 最も深刻な供給不足に陥っているのが、磁気ディスクの材料となるガラス基板だ。なかでも世界で約6~7割のシェアを持つHOYAが批判の矢面に立っている。
  • 関係者によると09年末ごろには、需要に対しHOYAは7割程度しか供給できていなかったもようだ。
  • そのHOYAが動いた。磁気ディスク事業を米ウエスタン・デジタルに売却すると発表。シェアが低く技術革新が激しい同事業をやめ、ガラス基板に資源を集中して供給量を増やす狙いだ。1月にはフィリピンに新工場を建設することも決めた。
  • 興味深いのは、この売却案件にウエスタン・デジタルに対する複数年のガラス基板供給契約が盛り込まれていたことだ。買収額が220億円と「相場より高め」(業界関係者)なのも、ガラス基板を安定調達したいというウエスタン・デジタルの思惑が絡んでいたからだろう。ガラス基板争奪戦が再編を誘発したと言える。
  • 昭和電工は08年9月にHOYAと磁気ディスク事業を統合することで合意したが、金融危機後の急激な需要減少を受けて交渉が破談。代わりに富士通の磁気ディスク事業を買収し、HDD本体の事業を富士通から買収した東芝に対するディスク供給を拡大した。昨年春にはウエスタン・デジタルとも2年間のディスク供給契約を結んでいる。
  • しかし、HOYAがウエスタン・デジタルにディスク事業を売却することで、取引関係は一変。HOYAのディスク供給先は東芝が2/3で、ウエスタン・デジタルが1/3だったとみられるが、今後は東芝向けの供給がごっそり抜ける可能性が高い。
  • 日本電産が10年3月期に過去最高益を更新するなど、HDD関連メーカーの業績は総じて好調だ。電子部品業界では業績低迷時に「守りの再編」が誘発されるケースが多かったが、HDD業界は好況下で業界地図が様変わりするという新たな局面を迎えつつある。

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